行政説明|勝山浩司(文部科学省スポーツ・青少年局青少年課長)
熟議|子どもの読書活動を考える「熟議」グルーブ発表

第1位 大人の10分間読書 (10班)

10班 子どもの側からの発想はたくさんあったが、まずは大人が意識を変えなければいけないという思いから、企業で働く大人、学校の先生など大人が毎日、10分間、本を読んで欲しいと考えた。子どもがもっと本を読むためには、大人が子どもたちに本を読む姿を見せるのが一番であると思う。是非、みんなで、子どもたちに読書する姿を見せましょう。

第2位 子どもの本のスペシャリストの適切な育成と配置 (14班)

14班 立場に関わらず、本当に子どもの読書に情熱と専門知識を持つ人を「子どもの本のスペシャリスト」と認定し、そのスペシャリストが働きやすい環境で配置され、いつも子どものそばにいて、子どもと本をつなぐ役割を果たしてほしいという思いを込めて企画案を考えた。

第3位 読書甲子園を開催 (11班)

11班 最も本から離れてしまう年代の中高生を取り込むために考えた企画案である。まず、子どもが好きな本について熱く語り、審査員をどれだけ感動させ、涙させPR出来るかを競う自由部門と、課題となる一冊の本について熱く自分の思い等をPRするという課題部門に分かれ競い合い、地区大会から全国大会に進むような形の読書甲子園を考えた。読書活動が個人から集団で行うように広がれば面白いのではないか、多くの人が関わりあうので、広く読書活動の推進になるのではと思う。広くブームになればといいなと願っている。

第3位 学校図書館に専任者を (18班)

18班 私たちは子どもと本を結びつけるには何が一番大切か、ということで「人」の話がやっぱり大切だと考えた。「専門」で、「専任」で、「正規」でという三つの条件が揃った学校司書さんが日本全部の学校図書館に配置されることを提案する。

講評

読書コミュニティ拠点形成支援事業協力者会議委員
三鷹市教育委員会教育長 貝ノ瀬滋氏

三鷹市教育委員会教育長 貝ノ瀬滋氏みなさん、お疲れさまでございました。参加者のなかには、熟議というのをご存じない、初めての方もいらっしゃったと思いますが、どうですか、やってみてよかったのではないでしょうか。熟議は本当に一人一人の方が達成感を得られるということで、あらゆる場面でご活用されるとよいと思います。
 確かに、言葉が熟議ということで何かむずかしそうですが、要するに話し合いです。話し合いの中で、お互いに補い合って、高め合い、そして納得するという、最後には、一人ひとりが満足感をもたらすというもので、少し大げさなかもしれないが、民主主義の基礎作りにつながるものです。
 みなさんが今日、出てきたアイディアに納得できるのは、現場の第一線で仕事をしているみんなの一人ひとりが話し合って出されたものだからです。まさに「現場に神宿る」です。ですから、みなさんのご意見を汲み上げて政策に反映しないといけないし、みなさんもこのような機会を大事にしていただきたいと思います。
 ただ、今回の場合、なかなか単純にいかないところがあると思います。例えば図書標準の達成や司書の配置などは十分ではなく、現場はお困りでしょうが、しかし前に比べれば少しずつ改善されています。それにも関わらず、子どもたちが本を読まないという現状について問題意識を持ち、私たちは何ができるのかということをもっと掘り下げていく必要があるのではないでしょうか。

この観点から今日の熟議という方式で話し合いをし、そして、「大人の10分間読書」が第1位になりました。やはり子どもの問題は、大人の問題といえるわけで、子どもたちだけに「ああせいこうせい」というのではなく、私たちができることは何かということを絶えず、問い返しながら進んでいくことが求められているのだと思います。そういう意味で今日は大変、有意義な話し合いがなされ、よいご提案が沢山、出ました。文部科学省では、政策に直接、生かされないにしても、この提案を無にすることなく、少なくとも全国に、この取組について紹介をする、PRするということを是非、やっていただきたい。そして、今後も、是非、お互いに子どもの読書活動の推進に向け、努力してまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

文部科学省審議官(スポーツ・青少年担当) 有松育子

文部科学省審議官(スポーツ・青少年担当) 有松育子 みなさま、お疲れ様でした。初の読書熟議、いかがでしたでしょうか。文部科学省では、平成22年度から色々なテーマで熟議をやってきましたが、初めて子どもの読書活動をテーマに熟議をいたしました。
 今回は、全国から読書ボランテイアに関わる方、学校や公共図書館の方々など、色々な立場の方のご参加により、実践に基づいた、大変熱い話し合いが行われているところを見せていただきました。
熟議で提案された色々なアイディアについては、なかなか簡単にはいかないところもありますが、私ども、これから子どもの読書活動を考えていくうえで、参考にさせていただき、一歩でも二歩でも子どもの読書活動への支援を前に進めていきたいと思っています。
また、今日をきっかけに生まれた、このネットワークを今後の活動に活かしていただいて、全国各地で、子どもの読書活動の推進に、引き続きご協力いただきますようお願いいたします。